ついでに中国語3 ~読めるけど書き間違う? 日中字ビミョ〜な違い

見た目は殆ど同じで問題なく読めるけど、書く時は注意が必要な字を集めてみました。

日本の字に対応する中国の字は、旧字体や書写体として日本でも使われている字が多いんで何か逆にややこしい。

突き抜ける

日中漢字比較表

日本の常用字では縦横交差する点で止まっている線が、止まらず突き抜けている字のグループ。

旧字や書写体で見るものが多い。縦線は突き抜けるのが本来の形だったんでしょうね。

突き抜けない

日中漢字比較表

逆に突き抜けない字。

横線の場合が多い。「汚」「画」は分離型に入れた方が分かり易いかも

「画」は日本型の突き抜けた字も中国人のSNSなどネットではよく見かける。

点がつく

日中漢字比較表

「圧」は省略型だけど、点が付いた形は日本では旧字体。

だから常用字じゃない「嗅」には点がついてる。

繋がる

日中漢字比較表

上下がくっついた字は突き抜ける、横の二画が繋がった字は次の続けるでもよかった。

続ける

日中漢字比較表

行書風に二つの線を続け字にした形。

「以」は中国は四画で、日本は五画。「比」のように日本の印刷字で二画の左偏を三画のように表現されるケースがあるけど、これは確かに五画。

「兎」は日本の字でも続けて書かれてる。違いは上部の形なので、このグループではないんだけど「免」のついでに。

分離する

日中漢字比較表

「母」は点を繋げないで、しっかり点々で書くって事だね。

「査」は今までと逆パターンで、間違い易い。

一画少ない or 多い

日中漢字比較表

後ろの二つが一画多い。

「歩」は続けるでも「宮」は分離でもよかったけど

勘違いして欲しくないのは、さんずいが、全部にすいになるってことでは無いですから

さんずいの字と比べたら、にすいの字はほんの少し。

「冷」「治」などはそれぞれ三ずい二すいの字が別字であります。

横線が点に

日中漢字比較表

これらは部首で使われる時も同パターンなので、他にもたくさんあります。

横線が左払いに

日中漢字比較表

大半「反」が使われてる字ですね「阪」などもそう

「所」の「戸」は点じゃなくて左払いなんだね。

旧字体型

日中漢字比較表

これらはそのまんま日本の旧字体。「修」は書写体。

旧字体の勉強も検定試験以外に役に立つことあったね。

その他 丸覚え型

日中漢字比較表

最後は、いつものように残り物を丸覚え。

「骨」の小さい四角が右か左かの違いは「過」などにも当てはまる。

「巻」については、常用字じゃない「倦」などには中国型の旧字的書き方が残ってる。常用字は「圏」のように「己」の形。

今回から拼音も追加。

日本の音読みの発音にちょっと近いことや、旁が同じだと発音も同じものが多いことがわかると思う。

これらを頭に入れて次からは単語。

筆ペンで書く2021年賀状図案10

この季節の風物詩となってまいりました内職の年賀状書き

依頼者に見せるサンプルスケッチです。

黒文字はすべてスタンダードなぺんてるFL2L中字を使用。

紙もフツーのコピー紙です。

顔彩で着彩 インクが滲むので本番では絵は顔料インクか墨汁を使う。

金色の字はご存知ぺんてる筆 金の穂

時節柄 マスク付けてみました。絵は顔料インク。

「す」を寿で書いてる書家の作品を見てマネてみました。

赤線はアートブラッシュのRED

ついでに中国語2 〜書いて覚えろ簡体字(後編)

前編のグループに当てはまらなかったものと、漏らしたものを丸覚え型でまとめました。

あと4,5個入れたかったんですけど、ノートのコマが足りなくなったんで残念ながら省略。いろいろ見つかって溜まってきたら追加します。

色付きが簡体字です。

中国簡体字-日本漢字対照表

複数の親字を持つ簡体字がありますが、1つだけの字でも意味を複数持つものが多く、我々が日常使う日本の漢字はそのうちの一部に当てはまるだけです。両者はイコールではないので、あくまでも目安として捉えましょう。

中国簡体字-日本漢字対照表

后とか泪とか、日本で使われてる簡体字もある。

中国簡体字-日本漢字対照表

売も含めて部首型でいけそうな字がいくつかあるんですが、それぞれ2~3個ずつのグループにしかならないので丸覚えしましょう。

「蘿」の簡体字はパイナップルや大根の一字として使われる。

中国簡体字-日本漢字対照表

常用、次常用、通用、中国7000字では一文字だと意味を持たない字も多く、意味を考えるのは熟語や文になってからでいいと思う。

とりあえず、余分なものは省略し、同音なら簡単な字と取り替えてしまう中国の思い切った合理性に感心しましょう。

ついでに中国語1 ~書いて覚えろ簡体字(前編)

そもそも書道の臨書学習で書く漢字の古典は中国語。

発音から入ると母音が40近くあって有気音、無気音に4つの声調、同音異字が多数と難度が高いけど、文字から入れば使われている漢字の意味は大きく違わず分かり易く面白い。

一見難しく感じるのは馴染みのない簡体字のせいで、それが分かると見覚えのある単語が並ぶ文章に一気にハードルが下がるのを感じるはず。Twitterやコメント程度の文なら何となく意味がわかる。

ならば二兎を追おうというわけで、中国語を書くシリーズを始めます。

まずは簡体字を日本人にとって分かり易いように分別し対照表化。

やってみると結構大変なので二回に分けました。

魚偏、食偏、金偏のように見たら想像つくものは省略。

抜け落ちてるものも結構あると思いますが、あくまでも中国語を使ったペン字学習のものであることはお断りしておきます。

日本の字から見て省略したように見える字を省略型としました。

色のついてる方が簡体字。

中国簡体字-日本漢字対照表 ボールペン字

「里」は日本と同じように里として使われるのもある。

中国簡体字-日本漢字対照表 ボールペン字

「豊」は分かり易いように旧字体にしました。

続いて単体だけじゃなく、部首や文字の一部としても使われる字を部首型とします。

中国簡体字-日本漢字対照表 ボールペン字
中国簡体字-日本漢字対照表 ボールペン字

同じ形でも複数の親字がある部首型を部首複合型として分けます。

中国簡体字-日本漢字対照表 ボールペン字
中国簡体字-日本漢字対照表 ボールペン字
中国簡体字-日本漢字対照表 ボールペン字

分類できないその他は丸覚え型として後編で。

猫とペン字の写真

抜くか?止めるか?最終画縦線

最終画縦線 糸偏が3つもあって、これ自体書く練習になりそうな言葉ですが、つまり下のような字ですね。

漢字楷書 縦線手本

最後の縦画をスーッと抜くか、止めるかという問題。

今まで何も気にせず手本のまんま書いてたんですが、手本もいろいろで、結局一体どっちなんだ?

このへんで一度整理しておこうと思ったわけです。

字の正誤でいえばどっちでもいいらしいです。 漢字の書き取りや、たぶん検定の理論問題でも。

日本習字普及協会「常用漢字六体」(狩田巻山)では楷書はほぼ抜いてます。一方、二玄社「ポケット ペン字字典」(石川芳雲)では線が細くて判別しづらいんですが、明らかに抜いてる草書と比較して、止めているように見えます。

そもそも書道ではどうだったのかと二玄社「新書源」で楷書の代表的な古典を調べてみますと、孔子廟堂碑、九成宮醴泉銘はじめ、智永の千字文や顔真卿の楷書も先が尖ってます。

毛筆の二玄社「標準三体字典」(吉川蕉仙)では抜いてる方が多いですが、「新」は止めて「折」「祈」は抜く、「申」は止めて「神」は抜く、「姉」は止めて「市」は抜くなど法則性はなし。

これらを総じて見ると、手書きとしては、抜くのが基本なのかなという気がします。書道ではむしろ行書で止めてるのが結構見受けられました。

書道っぽいフォントで見ても

漢字楷書 書道字フォント
MediBang Paintプリセット FOT-グレコStd

ほぼ抜いてますよね。

気になるのは二本足の字

漢字楷書 縦線手本

個人的にはこの右の軸足?のほうは止めたいんですが、「常用漢字の六体」では全部抜いてます。上のフォントだと「算」と「耕」だけ止まってます。「研」は意外や抜いてる。「斎」は止まって「斉」は抜く、「隼」だけは止めてる…この辺は規則わかりませんね。

文字個々のイメージというのもありますからね。「車」は止めたいんだけどな~

これだけ見るともう、楷書は抜くが基本でいいんじゃないでしょうか。

じゃ何で結構止めてるイメージがあるんだろうと考えてみるとゴシックや明朝体のフォントの影響は大きいんでしょうけど、加えて横書きのせいもあるんじゃないか?

横書きでは縦に抜くと横への流れが切れてしまう。止めたほうが横へ繋げやすい…ペン字の楷書課題は横書きが多いですから、止めるイメージが強くあるのは、そのせいかもしれないですね。

結論

基本的には抜くけれど横書きが主流となりつつあるボールペン字では止めるのも大事。長さも意識して使い分けよう。

このフォントは今まで気にしたこともなかったんですけど、このまま手本にできそうでいいですね。

漢字楷書 書道字フォント
MediBang Paintプリセット FOT-グレコStd

他のフォントでも

漢字楷書 書道字フォント
WordのHG正楷書体

筆ペンの楷書手本はこれでいいんじゃないの?

無料のMediBang Paint はスマホ版もあるのでダウンロードしてテキストツールで文字入力してフォントをFOT-グレコStdにすれば、そのまま楷書の字典として使える。

——- 文字矯正コーナー ——–

今回の作例制作にあたって初めて気付いた自分の文字の欠点を矯正します。

洋という漢字の書き方

1.まず、さんずいの書き方 2つの点が上によりすぎる癖発覚。「羊」の3本線の間隔も狭く上によりすぎる癖、上の二点の右側の線が傾きすぎ隙間がせまくなる癖、これは「新」「部」の左上、「幸」の中央部の二点でも同じ傾向が… この3点を直す。

2.だいぶ改善したと思うが、上記字典や上のフォントをみると「羊」がもう少し下。ずらしてみる。

3.「羊」の横画が長く幅が広すぎるよう 削って空いた隙間を埋めるため偏を右へズラす。

こんな感じ。どうでしょう? 下の3つは好みによるかな? ちなみに3と4は2をコピーしてのデジタル処理です。ペン字も新たな時代が来るね。