和歌を4行で
ペン字検定課題の過去問から2点
例によって蓑輪東壽先生手本
「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいずこに月宿るらむ」
(古今和歌集 清原深養父)
「山里はふゆぞさびしさまさりける人めもくさもかれぬとおもへば」
(古今和歌集 源 宗于)
蓑輪先生の作品は仮名書をペン字で書いた感じですよね。
「山里」「ふゆぞ」なんか象徴的ですけど、文字の重心を左右に振って
線をグルーブさせてゆきます。
古典の和歌で草仮名を使わないと出せないラインです。
続いて 実用字に近い 山下静雨先生手本 良寛の歌
1、2行目の間隔が少し狭くなりました。
まさに直球の書き方、整った文字の美しさを表現するにはいいですが
歌の情感が出ません。良寛の歌ですからねえ。
漢字が多くないと、この書き方はつらいかも。
和歌を5行で
金久保雲渓先生手本
「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」
(古今集 藤原敏行朝臣)
短歌を6行で
同じく金久保雲渓先生手本
「瓶にさす藤の花ぶさみじかければ たたみの上にとどかざりけり」(正岡子規)
この2点はやっぱり男性の字です。
古典で草仮名も使いまくってるんですが、仮名書とは趣が違います。
ペン字がホームの人の表現だなと感じますね。
五段の短歌課題は北原白秋だから、最後の正岡子規が一番近いんですけども
検定手本は蓑輪先生ですからね。蓑輪先生の短歌手本がありゃ一番いいんだけど
全部 古典の和歌なんだもんなあ。
そこまで考えて出してんのかなあ。
次回はもう少し分割したレイアウトの作品を書きます。