新字体の書写体 パターン分析

前回の旧字体に続いて新字体の書写体を覚えます。

直近の目標はNHK学園ペン字検定師範試験なんで
今回も理論問題用の推奨資料「常用漢字の六体」から

たぶん「読み」問題だけで「書き」はないと思ってんですけど

新字体の書写体だとほとんど読めるんで「書き」の可能性も否定はできない。油断できないです。

で、まずはそれでも読めなかった字をマーク。ペン字 漢字書写体

「著」は冠の書き方が変わっただけなんだけど「着」に見えた。

同じように「汚」は「汗」に見える。一度イメージ持つと呪縛される。

ここからは法則を見つけてグループ化していこう。

線が多かったり、少なかったり。

ペン字 漢字書写体

説明不要ですね。「呂」「直」は単体でも部首としても一画少ない。

点が付いたり、消えたり。

ペン字 漢字書写体

その両方・・・点画の移動。

ペン字 漢字書写体

線が伸びたり、縮んだり

ペン字 漢字書写体

ここまでは殆ど読めますね。ということは「読み」の試験には出ません
・・・でしょう。

次はいかにも出そうな 問題としても面白いグループ。

縦横並び替え

ペン字 漢字書写体 縦横変換

楽しい!。この中から一つは出るよ。

行草書風 点画の省略。

ペン字 漢字書写体

この2つは要マーク。特に最下段の4字。

ここからは細かくパーツ別に分析。

部首でも使われる基本文字。

ペン字 漢字 書写体

「分」や「正」は硬筆書写技能検定一級過去問にこのまま出てる。

「示」と上のほうで出た「生」は実は単体では書写体は載ってない。
でも部首ではよく出るんで入れときました。

部首で使う。

ペン字 漢字書写体

「卯」に点がつくと「卵」。

「望」には「亡」が入ってると改めて気づく。漢字は面白い。

ここからは部首の変換を一気に。

部首別 書写体変換の法則。

ペン字 漢字書写体

「ロ」→「ム」のグループに「銃」が紛れこんでしまった。
上の基本形では「充」の冠の無い形でまとめたんですが
「充」はこの形で覚えたほうがいいですね。

 ペン字 漢字書写体

点々のつく字が紛らわしいので整理しておく必要。

「菅」は「管」の書写体なんですね。
新字体に入ってないことも初めて知った。

ほとんど一字物の変換例。

ペン字 漢字 書写体

読めるけど書き問題だと手こずりそう。

次のグループも含めて一点物は出やすい。

その他、理屈じゃなくて丸覚え。ペン字 漢字書写体

書道では馴染みのある字も多いです。

「賓」はマイナーな字ですが硬筆書写技能検定過去問にありました。

準一級以上を受けるなら、ここに書いた字は書ける必要ありそうです。

ふ〜〜〜〜〜〜っ

やっと理論試験の三悪魔 草書体、旧字体、書写体 整理できた。

あとは 毛筆系の古典の読みや書道史。まだまだ大変。

旧字体とその書写体

前回までの草書に引き続いての理論試験対策です。

旧字体は昭和24年当用漢字表が告示された時に
定義された「新字体」(今、我々が書いてる字)
それ以前に使われていた字ということになりますが

要するに昔の字  文化庁の常用漢字表 で( )内に書いてある字です。

書写体は日本習字普及協会「常用漢字の六体」によりますと
「古法帖に書かれている伝統的な楷書で字典の活字体にはない字体」

この本では隋唐時代中心に集められてるみたいですが、明確な決まりはないんですよね。

ペン字検定は元検定協会会長の狩田巻山先生基準でいいと思うんで
この本をベースにやっていきます。

旧字体

旧字体 ペン字

硬筆書写技能検定一級、準一級の過去問 で見ると
「晝(昼)」「豫(予)」はよく出てます。

旧字体 ペン字

ペン字では大半初めて書くんで字崩れてて申し訳ない。

だいたい読めますよね。

ここまでは書写体が載ってないもの。

書写体が入ってくるとややこしい。

どっちがどっちかわからん。

ここからは 上段が旧字体、下段がその書写体。

旧字体 ペン字

「鹽(塩)」は出そうだけど意外と出てない。
これ出たら、なんか出題者の悪意感じるもんね。

むしろ「関」「壓(圧)」要注意。書写体でも出てる。

旧字体 ペン字

ここは重要な字が多い。 「旧」はよく出る。「缺(欠)」は読みにくい。

旧字体 ペン字

過去問では
「廣(広)」は書写体の字(中が黄)が旧字体として扱われてる。

旧字体の書写体も旧字体なんで間違いではないです。

「國(国)」「處(処)」は頻出。

旧字体 ペン字

「戦」「體(体)」は書写体のほうもマーク。特に身へんのやつ。

「當(当)」「擔(担)」よくでてます。

旧字体 書写体 ペン字

「庁」は旧字、書写ともに要注意。

旧字体 書写体 ペン字

「毎」って旧字だと中が「母」シンプルだけど意外と迷う。

「歩」は書写体のほう注意。

「乱」は「乳」と読まないように。

旧字体 書写体 ペン字

抜かしたと思って追加したら「當」と「舉」は上で書いてた。

「舎」は「常用漢字の六体」には載ってないんですが硬筆書写技能検定には出てるんで追加しておきます。

NHK学園ペン字検定は「常用漢字の六体」からの出題だと思うんで
出ないでしょう。

以上 旧字体でした。

次回は今回と合わせて千字以上ある書写体の残りを整理します。

こんなのペン字では読めりゃいいと思うんですけどね

書かせる試験があるんですよねえ 硬筆書写技能検定一級、準一級。

やっぱり古すぎる?

漢字草書 4. 似てる字まとめ&検定問題

似てる字をまとめてみました。

似てる字 漢字草書

上の2列はけっこう厄介ですね。

「失」「矢」は殆ど同じ 単体での判別は無理。

「茅」は「矛」が右グループに近いのでそこに配置しました。

「貴」は前回言った「大」=「貝」の代表例。

似てる字 漢字草書

「緑」「縁」は、これも判別不能。

赤カッコの点付きの字は点無しバージョンもあり。

「浅」で点をつける場合の位置は資料ではすべてこの横の位置。

似てる字 漢字草書

似てる字 漢字草書

「備」「満」「将」「得」は毛筆ではお馴染み。

並べてみると違いがわかるけど一個だけ出されるとどっちか迷う。

似てる字 漢字草書

「候」も、にんべんの方だけ出されるとどっちかわからんね。

以上。

この程度、見分けられるとけっこう読めると思いますよ。

では実践 硬筆書写技能検定 2級第九問&1級第八問
「草書を読む」 ここ数年の過去問。
(参考 日本習字普及協会 1、2級合格のポイント)

2級は二字熟語

漢字草書 ペン字検定2級課題

1級は一文字。

漢字草書 ペン字検定1級課題

ちなみに準一級は書道の草書 十七帖や書譜の字を読む課題です。

 

答え

意見、報告、伝説、言葉、指導、就職、家族、感激

親類、満足、文鎮、帰還、悲願、道徳、樹氷、行楽

朝、愛、議、前、約、保、親、啓

教、其、浅、数、師、朝、歌、基

服、豊、参、海、発、解、制、流

「朝」が2つ入ってますが、いろんな書き方があるんで厄介。

「道徳」の「徳」も前回書いた形とはちがいます。

草書はペン字では草仮名ぐらいしか書かないかもしれませんが
毛筆では必修といってもいいですから、ペン字で基本を整理しておくのも無駄でないと思いますよ。

 

 

五段への道 最終回 短歌攻略?散らしで突破。

五段に昇段しました。

今回は7、8月に時間が取れなかったんで厳しいと思ってたんですけど・・・

ほとんど短歌対策に時間をかけてたので他の3つはほぼ現状維持。

だから、短歌が決め手だったんでしょう。

楷書横書き 夏目漱石「草枕」

ペン字 横楷書 夏目漱石

uni-ball SigNo RT1 0.5

お礼状 書体自由

ペン字 お礼ハガキ

uni-ball SigNo RT1 0.38

漢詩七言絶句「山行」杜牧 書体自由

ペン字 漢詩 山行

uni-ball SigNo RT1 0.5

↑この3つは、前回と大差ないと思います。

前回の失敗は短歌が原因・・・
というのを確認したくて特別工夫をしませんでした。

で、問題の短歌。

過去記事でもいろいろ書きましたが、散らし書きを中心に練習したので
せっかくなんでダメ元で散らしで勝負しました。

短歌 行書 北原白秋

ペン字 短歌 散らし書き

pilot ペン字練習用万年筆

2行書きで挑戦して下手に昇段してしまうと
散らし書きで厳格なチェックを受ける機会が
もう無くなってしまうと思いチャレンジしました。

短歌なので草仮名はなるべく使わず、漢字もほぼそのままに。

昇段できて良かったですが出来はよくわかりません。

昇段すると思ってなかったんで練習はずっと続けてて
実は今、もう少し上達してるんでちょっと残念な気もするんですが
さすがに同じ文ばかりで飽きたんで別な物書けるのは嬉しい。

で、 NHK学園の検定に関しては来年師範試験ということになりますが

2万円かあ…

一応、小論文の準備は指導方法の整理にもなるのでやっとくつもりですが
受けるかどうかは懐具合を見て判断いたします。

五段への道 5.恒例?一回目の失敗。

まずは予想どおり昇段失敗。

楷書横書き 夏目漱石「草枕」

夏目漱石「草枕」ペン字

uniball Signo RT1  0.5

個々の字を見ると修正すべき所だらけで
わかってんだけど書けない。

 

お礼状 書体自由

ペン字 お礼状

SALASA CLIP 0.4

まだまだ連綿も不慣れで何とか一所懸命書いてます・・・って感じです。
急には変わらない。

 

漢詩七言絶句「山行」杜牧 書体自由

ペン字 漢詩 山行

uniball Signo RT1  0.5

ちょっと窮屈やったね 行間をもう少し開けようかと思います。

横線の角度が不揃いで並びもガタガタ。

こう見ると創作姿勢が今回かなり甘かった。

ま でもこの3つはブラッシュアップで何とかなると思うんですが

問題はやっぱり短歌。

短歌 行書 北原白秋

ペン字 短歌 北原白秋

pilot   ペン字練習用万年筆

結局4行で行っちゃったんだけどね。

平板。 4行が同じ調子なんでメリハリがない。
そもそも情感の希薄な字なんでね。

やっぱり2行にすっかな

昇段した人は今回も2行でした。
奇をてらわず普通に書かれてたように思いますが
自分の場合 普通に書くと行書文と変わらないんッスよね。

今回も3人5段昇段者が出てました。

で 合格レベルがどのくらいか見えてきた。

正直 ちょっと厳しいぞ
とくに仮名は書き方のバリエーションが必要。
高野切の臨書とかやってみようかと思ってます。