草仮名 関戸本古今集を読む。

草仮名まとめ

といっても、これもほとんど狩田巻山手本。草仮名一覧

赤字見にくいので漢字表記しておきます。

「い」以、移、意、伊

「ろ」呂、路、露、楼

「は」波、者、盤、半

「に」仁、耳、尓、児

「ほ」保、本、奉、報、宝

「へ」辺、遍、倍、弊

「と」東、登、度

「ち」知、地、遅、千、致

「り」利、里、理、李

「ぬ」努

「る」留、累、流、類

 

草仮名一覧

「を」遠、越、乎

「わ」和、王、倭、部

(丸っぽい字は一応載ってたから書いたけど初めて見た。変換できず)

「か」可、開、我、家、賀、

「よ」与、餘、余、夜

「た」多、堂、当

「れ」礼、連、麗

「そ」曽、所、處、楚

「つ」川、徒、都、津

「ね」祢、年、根

「な」奈、那、難、名

「ら」良、羅

「む」武、無、无、年、舞

草仮名一覧

「う」宇、雲、有

「ゐ」遺、井

「の」能、乃、農、濃

「お」於

「く」久、具、倶、求、九

「や」也、夜、耶、屋

「ま」末、万、満、萬、真

「け」計、介、遣、希、気

「ふ」不、婦、布

「こ」古、許、故

「え」江、要、盈

「て」天、転、亭、氐

氐が「く」と紛らわしい。書く時も微妙。

草仮名一覧

「あ」安、阿、悪

「さ」左、佐、散、沙、乍

「き」支、起、幾、祈

「ゆ」遊 「め」免、面

「み」美、三、見、微、身

「し」之、志、事、新

「ゑ」惠、衛

「ひ」比、悲、日、飛、非、避

「も」无、毛、母、裳

「せ」世、勢

「す」寸、須、春、数

「无」が「も」と「む(ん)」があってややこしい。

草書体なんで同じ字でも崩し方にバリエーションがあってこの形ばかりじゃないんですが、これだけ覚えるだけでも行書きならほぼ読める。

関戸本古今集を読んでみよう。

NHK学園検定と言えば関戸本古今集は必出。

硬筆書写技能検定の過去問でも関戸本が多かった。

関戸本古今集 関戸本古今集 関戸本古今集

関戸本古今集

難しいのは連綿でジグザグが続くところ。

「ら」と「こ」

「介」と「る」と「ろ」

これに「可」が紛れ込んだりする。

「つ」と「へ」は文章で判断するしかない。

硬筆書写技能検定1級だと漢字は楷書、あとはすべて平仮名(草仮名も)で回答。

こういうことですね。↓ 濁点がつく字が間違いやすい。

「しでの山ふもとよりのみかへりきぬつらき人よりまづこえじとて」

「こひしとはたがいひそめしことならんしぬとぞたゞにいふべかりける」

「あさぢふのをのゝしのはらしのぶともひとしるらめやいふひとなしに」

かな書家の散らしまくった作品だと難しいですが
代表的な古筆は端正で比較的読みやすい。

また読みやすい作品が出題されているみたいです。

 

 

五段への道 最終回 短歌攻略?散らしで突破。

五段に昇段しました。

今回は7、8月に時間が取れなかったんで厳しいと思ってたんですけど・・・

ほとんど短歌対策に時間をかけてたので他の3つはほぼ現状維持。

だから、短歌が決め手だったんでしょう。

楷書横書き 夏目漱石「草枕」

ペン字 横楷書 夏目漱石

uni-ball SigNo RT1 0.5

お礼状 書体自由

ペン字 お礼ハガキ

uni-ball SigNo RT1 0.38

漢詩七言絶句「山行」杜牧 書体自由

ペン字 漢詩 山行

uni-ball SigNo RT1 0.5

↑この3つは、前回と大差ないと思います。

前回の失敗は短歌が原因・・・
というのを確認したくて特別工夫をしませんでした。

で、問題の短歌。

過去記事でもいろいろ書きましたが、散らし書きを中心に練習したので
せっかくなんでダメ元で散らしで勝負しました。

短歌 行書 北原白秋

ペン字 短歌 散らし書き

pilot ペン字練習用万年筆

2行書きで挑戦して下手に昇段してしまうと
散らし書きで厳格なチェックを受ける機会が
もう無くなってしまうと思いチャレンジしました。

短歌なので草仮名はなるべく使わず、漢字もほぼそのままに。

昇段できて良かったですが出来はよくわかりません。

昇段すると思ってなかったんで練習はずっと続けてて
実は今、もう少し上達してるんでちょっと残念な気もするんですが
さすがに同じ文ばかりで飽きたんで別な物書けるのは嬉しい。

で、 NHK学園の検定に関しては来年師範試験ということになりますが

2万円かあ…

一応、小論文の準備は指導方法の整理にもなるのでやっとくつもりですが
受けるかどうかは懐具合を見て判断いたします。

和歌 短歌散らし書き3. ~さあ自由に散らそう

とは言ったものの真似するのも難しいですが・・・

まずは日本習字普及協会「硬筆書写技能検定1.2級合格のポイント」
平成28年度版 和歌課題1級模範例より3点。

狩田巻山先生の手本なのか、平成9年度改定でお弟子さんが書かれたのかは不明。

「朝霞たなびく野辺にあしひきの山霍公鳥いつか来鳴かむ」 万葉短歌

万葉短歌ペン字 

「花に見し昨日の春の面影もいつしかかはる夏木立かな」
   (前大僧正頼意・新葉和歌集)

2種のレイアウトで

ペン字和歌ペン字和歌

3つとも手本見ると全ての行が微妙に右に流れてるんですが
再現できませんでした。

線はきれいなんですが、レイアウトはあまり面白くはないかな。

あくまでも検定用の作品例ですから基本的なレイアウトにしているんでしょう。

3つ目の作品の「面影」の「も」はそのまま書きましたが
何の字の省略形かわからない。(追記 「无」みたいです。)

で、こっちはNHK学園のペン字検定過去問

お馴染み、蓑輪東壽先生の美しい散らしです。

が、難しくて完コピとは程遠い出来です。

「あしびきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む」(柿本人麿)

ペン字 柿本人麿

「住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ」(藤原敏行朝臣)

ペン字 藤原朝臣

「今来むと言ひしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな」(素性法師)

ペン字 素性法師

「誰をかもしる人にせむ高砂の松もむかしの友ならなくに」(藤原興風)

ペン字 古今和歌集

ねえ難しいでしょう?

行が接近してる部分の文字の配置が本当に難しい。

冒頭の日本習字普及協会「硬筆書写技能検定1.2級合格のポイント」見てたら
仮名書の古典 粘葉本和漢朗詠集や元永本古今集なんかがバンバン出てきてるんで、ペン字も仮名の古典書いた方がいいのかなと思ってます。

硬筆書写技能検定 ちょっと内容古すぎない?という気もしますが。

和歌 短歌散らし書き2.〜分割したレイアウトで

2分割のレイアウト。

「木の間より洩り来る月の影見れば 心づくしの秋は来にけり」
(古今集 読み人知らず) 上条信山先生手本

ペン字 古今集

「もれくる」になってますが手本のまま書きました。

割と入門者向きに書いてくださってるといいますか
このくらいから始めると入りやすいですよね。

次も信山先生。

「幾山河こえさりゆかばさびしさの はてなむ国ぞ けふも旅ゆく」
(若山牧水)

ペン字 若山牧水

つぎはお馴染み蓑輪先生のペン字検定課題過去問手本から2つ。

「心当てに 折らばや折らむ 初霜のおきまどはせる 白菊の花」
  凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

ペン字 凡河内躬恒

流麗! こんな風に書きたいねえ

2分割とはいっても蓑輪手本は一筋縄ではいかない。

1、2行目の間の取り方も絶妙で完全には再現できない。

次はシンメトリー っぽいですが、一応2分割ということにして、

「わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと 人には告げよ海人の釣船」
(古今集 参議篁)

ペン字 古今集 参議篁

2行目の「八十島」を引き離して粗密をだしてますが
自分ではなかなかこういう思い切った字間の取り方できないんですよね。

3分割のレイアウト。

これも蓑輪先生の過去問より

「有明のつれなく見えし別れより 暁計うきものはなし」
(壬生忠岑(みぶのただみね) 古今和歌集)

ペン字 壬生忠岑 古今和歌集

いやあ 難度が上がってきましたねえ

真似するの難しくなってきました。

仮名書ですよね。

書き出しの「あ」はいきなりこんな形で書き出せないなあ…

でも まだまだ こんなものではないんです。
次回はもっと真似しづらいのを書きます。真似できませんが・・・

和歌.短歌 散らし書き~まずは真っ直ぐ。

和歌を4行で

ペン字検定課題の過去問から2点

例によって蓑輪東壽先生手本

「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいずこに月宿るらむ」
(古今和歌集 清原深養父)ペン字 古今和歌集

「山里はふゆぞさびしさまさりける人めもくさもかれぬとおもへば」
(古今和歌集 源 宗于)

ペン字 古今和歌集

蓑輪先生の作品は仮名書をペン字で書いた感じですよね。

「山里」「ふゆぞ」なんか象徴的ですけど、文字の重心を左右に振って
線をグルーブさせてゆきます。

古典の和歌で草仮名を使わないと出せないラインです。

続いて 実用字に近い 山下静雨先生手本 良寛の歌

ペン字 良寛の短歌

1、2行目の間隔が少し狭くなりました。

まさに直球の書き方、整った文字の美しさを表現するにはいいですが
歌の情感が出ません。良寛の歌ですからねえ。

漢字が多くないと、この書き方はつらいかも。

和歌を5行で 

金久保雲渓先生手本

「秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」
(古今集 藤原敏行朝臣)

ペン字 古今集 藤原朝臣

短歌を6行で

同じく金久保雲渓先生手本

「瓶にさす藤の花ぶさみじかければ たたみの上にとどかざりけり」(正岡子規)

ペン字 正岡子規短歌

この2点はやっぱり男性の字です。

古典で草仮名も使いまくってるんですが、仮名書とは趣が違います。

ペン字がホームの人の表現だなと感じますね。

五段の短歌課題は北原白秋だから、最後の正岡子規が一番近いんですけども
検定手本は蓑輪先生ですからね。蓑輪先生の短歌手本がありゃ一番いいんだけど
全部 古典の和歌なんだもんなあ。

そこまで考えて出してんのかなあ。

次回はもう少し分割したレイアウトの作品を書きます。