初級者は手を出すな 上條信山著 書法基本帖(硬筆編)

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以前から図書館で見かけて中身をチェックして
こりゃ無理だ。…と棚に返しておったのですが、
現在、苦戦中の和歌の参考になるのではと、ついに借りてしまいました。
(散らし書きですが、和歌も載ってるんで)

一言で言えば硬筆書道の本です。

何しろ九成宮醴泉銘から書譜の臨書までありますから。
一般的なペン字学習書と比べると明らかに書体が違います。

大先生が書いておられますから
俗字たる実用体の習字字など受け付けんとばかりに
単体に傾きや、ずらしが入り俗臭を消してます。

未熟なため完全に再現はできませんが
楷書手本にしてこんな感じです。

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「写」とか「耐」とか基礎講座の添削なら修正されそうな箇所が多々あります。

実用字の練習していると、こんなに曲がってていいの?と大混乱ですよ。

ところがこれが文章になるといいんですよ

ちょっとかわいらしさもある力の抜けた飄々とした感じで

先生は全くきれいに書こうとか上手く書こうとか
考えてはおられないんでしょう

原稿用紙に書かれた国木田独歩「武蔵野」なんて
小説の生原稿かと思うほど字形への頓着が全く感じられませんもん。

ちょうど夏目漱石の「草枕」もあったので真似てみました。
まずはつけペンで練習しろとおっしゃっているのでスプーンペンです。

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3段の検定試験も夏目漱石ですが、仮に手本通りに書けたとしても

こういう感じの書体で怖くて出せないですね。

守破離でいえば「離」

未だ「守」に苦労してる身としては、やはり迂闊に手は出せん代物です。

もう少し力量が上がるまで我慢します。
…ってのも、なんか見てると妙に書きたくなってくるんですよ。
結局、魅力あるんでしょうねえ

しかし仮にも学習書としてはこの本どうかと思いますよ

癖ありすぎて手本になんない。

こりゃ先生の作品集です。
グルーヴしまくりで
巻末の作品なんてほとんど狂草体で読めません。

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